図1 75型のレーザ・リアプロ・テレビ「LASERVUE」
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図2 専用メガネは2個同梱する
図2 専用メガネは2個同梱する
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図3 レーザ・リアプロの原理
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図4 色再現範囲はNTSC規格比175%
図4 色再現範囲はNTSC規格比175%
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図5 クロストークも少ない
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図6 消費電力は低い
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 三菱電機は2010年7月29日,3次元(3D)映像を表示可能な75型のレーザ・リアプロ・テレビ「LASERVUE」を発表した。3D映像を見るための専用メガネを2個同梱する。2010年8月21日に発売する予定。同社は,米国市場で3D対応のレーザ・リアプロ・テレビを販売しているが,国内市場への投入は初となる。「3Dの急速な立ち上がりを受け,日本でも販売のチャンスが来た」(同社 リビング・デジタルメディア事業本部 家電事業部長の荒木茂氏)とする。ターゲットは,「日本の家屋動向を考えると一般家庭向けは限られている。デジタル・サイネージや娯楽施設向けなど業務用途を考えている」(同氏)という。市場想定価格は,「1インチ=1万円で考えている」(同氏)ことから,75万円前後になるとみられる。月産販売台数の目標は200台。

 LASERVUEは,光源にRGB3色のレーザを用いたリアプロ・テレビ。デジタル・シネマ用映画館と同様に,米Texas Instruments Inc.の「DLP(digital light processing)」チップセットを用いて映像を表示する。表示素子である「DMD(digital mirror device)」の画素数は960×1080。2D映像を表示する場合,水平方向に1画素ずらした状態で駆動することで,1920×1080画素の映像を表示できるという。3D映像を表示する場合,右目用と左目用の映像をそれぞれ時分割で表示し,それに同期する形で液晶シャッターを搭載したメガネを開閉する。対応する3D映像フォーマットは「サイド・バイ・サイド」と「トップ・アンド・ボトム」「チェッカーボード」の3種類。

 三菱電機は,他社に対する優位点として以下の三つを挙げる。第1に,色再現範囲がNTSC規格比で175%と,一般的な液晶テレビの2倍と広いこと。RGBそれぞれの光源に単波長性のレーザを用いるためという。第2が,左目用と右目用の映像が交ざり合う「クロストーク」の発生を最小限に抑えたこと。表示素子に用いるDMDの応答時間が数μ秒と,液晶やPDPに対して桁違いに速いことによるという。第3が,75型と大型ながら消費電力が定格305W,実際の動作状態では160Wと低いこと。75型の画面寸法は,37型の液晶テレビ4台分に相当する。同社の37型液晶テレビ「MXW300」を4台使用した際の消費電力は143W(定格)×4=572Wであり,省エネ性に優れるとする。